やかんと鍋と日記と

ぐうたらと生きる。

やりたくない仕事で残業するくらいなら。

残業が多くなる時期になった。

繁忙期だ。
4月から12月まで、アホぐらい暇だったのが一転しての忙しさである。今年度の実績を上げるため、躍起になっている課長が職員の仕事状況を鑑みずに仕事をバンバン入れていく。私たちは少し課長を恨みながら、それでも黙々と作業に徹する。

ガタンッ、トンッ、ウィーン、ギャアァァァ、トンッ。これは木材を機械で切る時の音だ。これを延々と繰り返す。退屈といえば退屈だか、最近はそれほど嫌な気もしない。心が無になるからだ。しかし、残業までくると何だか疲れがグッと高まってくる。17時までだと思い、頑張ってきたのに、まだあるのかと思うと気が遠くなる。

とはいえ、ウチの会社だと残業は最長で2時間程度だから、まるで大したことはないのだろう。そう考えると世のブラック企業が恐ろしくなる。やりたくもない仕事を延々とやらされるというのは、まるで遠い昔の奴隷たちを想起させる。

しかし、私はやりたい仕事なら、残業もそれほど苦痛には感じないのではないかと思っている。残業を馬鹿みたいにやらせるブラック企業は悪である。この認識には異論はない。でも、そこに目的意識が重なれば、仕事に充足感を感じられるのではないかと思うのだ。結局、私たちの人生の中心は仕事だ。ならば、残業が多くてもやりたい仕事をした方がお得だろう。




だから今、私は転職活動の真っ只中だ。





ウチの会社では、今年は臨時職員が2名退職することになっている。どちらの職員も戦力として、申し分ない働きをしていたから、ウチの課としてはかなりの痛手を受けることは間違いない。そこへ、私の退職が重なれば、工場が全く機能しなくなってしまうこともあり得る。

でも、だからといって転職を諦めるという考えには至らない。なんせ私には時間がない。もう25歳で今年26になる。新しいことを始めるなら、今しかないのだ。

だから、奴隷のようにやりたくない作業を続けることを辞め、やりたい事で取り憑かれたように仕事に取り組みたいと思う。


人を苛立たせる天才たち

嫁の仕事終わりが遅くなったため、夜の9時頃にガストで夕食を取りに行く。

久方ぶりのガストだ。
正直にいうと、私はガストを少し下に見ている節がある。ファミレス界の圧倒トップにデニーズ、その他はどっこいどっこいで、その中にガストも入っている。そして、最下層にサイゼリヤが君臨する。私の中ではそんなヒエラルキーがある。

でも、久方ぶりに訪れたガストは、意外と美味しかったし、内装もシャレていて、温かみのある雰囲気に変わっていた。食わず嫌いはそこそこにして、何処にでも行ってみるもんだなと思えた。




しかし、そんなガストで一つだけイラついたことがあった。

まず、店内に足を踏み入れると、強い視線を感じた。何か嫌な視線だなぁと思いながら、その方向へ視線を向けると、席について料理を待つ二人の20代中盤くらいの男たちが、何故かこちらをずっと凝視しているのが見えた。一瞬知り合いかとも思ったが、全然知らない奴らだ。それにしても見てくる。ねっとりとした視線は私を一瞬のうちに不快にさせた。何なんだよコイツらと思っていると、店員に席を案内された。しかし不運にも、そいつらの席の隣に案内されてしまった。何か嫌だなと思いながら、イソイソと席につく。

席について10分くらい経った頃、女が一人入店。そのまま流れるように隣の二人の男の席に合流した。その女は入って来るなり、バッグを自分の向かいのソファーに投げつけた。すぐ隣にいた私は、ここは自分の家のリビングじゃねぇんだぞと思い、ここでもイラッとした。類は友を呼ぶのかと考えながら、イライラを心の内に納める。

その後、その3人は、注文のため店員を呼んだ。しかし、呼んどいて店員を待たせたまま、談笑を始めるという迷惑極まりないこともやってのけた。はよ注文したれやと、私はまたまたイライラする。店員のイラつきはそれ以上のものだったのだろう。感情が顔に如実に現れていた。

人を苛立たせる天才っているんだなと思った。



巨乳であることの弊害

こんなこと言うのはなんだが、私の嫁の胸はデカい。

嫁はそれが嫌みたいだ。

一般的に胸がデカいことは、イイことであるとの風潮があると思う。胸が小さい女の子は大きな胸に憧れを抱くだろうし、男も巨乳好きは多いはずだ。そうでなければ、グラビアに出てくる女の子がことごとく巨乳である理由が見つからない。

しかし、それを持つ張本人は色々と苦労している。まず、純粋に胸が重いとのこと。確かに、よく胸で肩がこるというのを聞いたことがある。

嫁は「両方合わせて3キロはあると思う。だから、辛いよ。重いから胸の筋も伸びて、乳が垂れやすくなるし。もし、お前のちんこが3キロあったらどうする?」と聞いてきた。

私は思わず吹き出してしまった。
ちんこ3キロという語感に完全にやられてしまったのだ。

しかし、冷静に考えるとちんこが3キロあったらとても辛いだろうなと思う。

ちんこが邪魔して走ることもままならず、ガニ股になるし、逆にそれだけの重量があるから、ちんこの防御力は上がっていそうだけれど、皮が伸びてキモさが倍増しそうだし。

あらゆる弊害が一瞬で思い浮かび、巨乳って辛いんだなぁと思えた。

あと、着れない服が多いのも巨乳の欠点である。最近は細身の服が主流で、巨乳の人は選択肢が狭まってしまう。実際、嫁も服を選ぶ時には伸びる生地か、胸の部分を考慮してもオカシクならないかを吟味して服選びをしている。

巨乳ってのも考えものだ。

結局人間、ないものねだりなんだよなぁ。

眠りとストレス

睡眠時間の長さを決めるのは精神的なストレスの度合いによるらしい。例えばストレスを大きく感じている人は8.9時間、ストレスが少ない人は6時間以下になるそう。いわゆるロングスリーパーショートスリーパーと言われるものである。

私は妙にこの理論に納得してしまった。
心の中であらゆる感情が入り交じり、グルグルしてるような日は、自分でもびっくりするくらい寝るし、頭がスッキリしていて、感情の整理もきちんとついているときには、6時間でこと足りる。

だから私は、睡眠時間の長さで調子の善し悪しを測っているときがある。


ここからは自論だが、精神的なストレスは夢にも現れる。調子が良い時は実に想像力豊かな、普段の自分では考えつかないような夢を見る。そして、起きたときにはスッキリした気持ちで気持ち良い朝を迎えられる。しかし、調子が悪いときは、基本的に何か怪物に追いかけられていたり、精神的に追い詰められるような出来事が起きる。そして、朝目を覚ますと下半身が嫌な汗でびっちょりしていて、テンションが下がる。

だから、精神的な不調は睡眠によく現れると思っている。幸い私は不眠症とかにはなったことがないから有難いが、MAXレベルに不調が高まるとそうなってしまうのだろう。おそろしや。

寝るときくらい気持ちよく、何も考えずに居たいものだ。


異臭の原因は。

トースターから異臭がする。

くせぇ。

この匂いには覚えがある。私は職場でリフトを使用するのだけど、クラッチを踏みながら走ってると、時折感じる匂いだ。機械の仕組みがよく分かってないから、上手く説明できないけど、クラッチに使われているゴムが焼け付くのだ。そのときの匂いはヒドい。運転手はおろか、半径50メートルくらいは匂いを感じるほど強烈だ。

職場のある男性職員は、特にこれをよくやる。その男性職員は運転がとにかく荒い。エンジンを目一杯ふかしながら、走行するから騒音具合もハンパじゃない。普段はとても穏やかな人だから、まさにこち亀の本田さんのような感じだ。

そんな話は置いといて、家のトースターの話に戻る。
トースターで朝食に食パンを焼いているときに、事件は起こった。リフトの焼けたゴム臭が、家の中でも見事に再現されている。家の外に運転の荒い職員が暴走してるんじゃないかと思うくらい臭い。

トースターの中を確認してみると、一件すると異変はない。我が家のトースターは長年蓄積した食い物のカスがトースター中の床に散らばっているが、これは平常運転なので問題はない。いや問題はありありだが、これを掃除する余力がいつもない。

しかし、今は悠長に構えている暇はないから、いそいそとトースターの床を掃除し始める。すると輪っか状の物体が横たえているのを発見する。その物体は、溶けて半分がもう液状化してしまっている。私がパンを食べるために、何か分からないがこの物質は半分身体が溶けだしてしまったのだと思うと、少し気の毒になる。ならば成仏させてあげようと、物体を落ちていたダンボールの切れ端ですくい上げる。そこで、この物体の正体に気づいた。

輪ゴムだ。

こいつが強烈な嫌な匂いを生み出していたのである。元凶がわかると、一気に輪ゴムを慈しむ心は消え去り、なんでお前こんなとこに入ってしまったんだと、輪ゴムを責める方へシフトする。まったくに不毛なやり取りを繰り返し、心の落とし所がついたところで、ゴミ箱へぽい。

臭すぎるため、部屋にある窓という窓を開いていく。ものすごく冬を感じた。



会話に入るタイミング

私が事務所の中に入ると、事務員の女性2人が楽しくおしゃべりをしていた。女性は二人とも50歳を越えているから、仕事場なのに何だか近所の道端で井戸端会議が行われているような光景に見えた。会話の内容は、とある男性職員のモノマネが面白いというもので、一人の女性事務員が、その面白さを力説していた。

私も実際、そのモノマネを見たことがある。よく特徴を捉えていて、なかなかにクオリティが高くて面白かったのを覚えている。課長のモノマネをするのだが、声のトーンと大きさ、セリフを完全再現している。私が見た時は、課長がいないのをいい事に、課長の席にふんぞり返りながら、モノマネしていたものだから、思わず吹き出してしまった。

そのとき、この人ガサツそうに見えて、結構人のこと見てるんだなぁとしみじみ思った。

そのことを思い出しながら、女性事務員の話を盗み聞いている。

じきに、私もその会話に混じりたいという欲求がふつふつと湧いてきたが、やる事をやってからにしようとパソコンに向き直る。そうこうしているうちに、事務員さんは出ていってしまった。

ああ、あのエピソードで会話に混じっていたら、少しはウケただろうになぁとしみじみ思った。そう考えると、次々に色んな後悔が思い浮かび、もう終わったことなのに延々と会話への飛び込み方をシミュレーションしてしまう。

全くもってみみっちい。

自分のことをみみっちいと思ったら、そのことがどうでもいいことに思えるようになった。そして、もっと楽しいことを見つけようとポジティブな感情をもつことができた。

次は積極的に会話に飛び込んでやろうと思う。


なくしたものは中々、見つからない。

同僚が財布をなくしたという。

心底かわいそうだと思った。財布を無くせば、様々な2次災害が襲い来るからだ。免許証、カード類、保険証、、、考えるだけでおぞましい。

幸いカード類は入っていなかったようだけど、それでも免許証を発行しに行かねばならない。

 

今日は金曜日。同僚はさすがにその日に、有給を取るのは忍びないと思ったのか。月曜に休むと言った。しかし、土日に車に乗れないのは辛いだろうと、上司がその日に有給を取ることを提案した。理解のある上司だと、私は関心した。

 

こういう上司がいるというのは、心強い。

上司はおかしいと思ったら、積極的に意見するタイプだ。だから、かなり頼りになる。対して、私は基本的には静観するタイプで、そういう人に憧れを抱いている。

 

かくいう私も何かをなくすことにおいてはピカイチの才能を持っている。よく母にそういうとこ、お父さんと一緒やねと言われ、親父と同じということに少し、嫌な面持ちになる。でも、全くの事実で反論のしようもないから、もどかしい。

 

わたしが一番よくなくすのは携帯だ。

さっきまで、いじっていたはずの携帯がどこにもないことがザラにある。直前までの浅はかな私に怒りを浴びせかけながら、半ばやけくそで汚い部屋の中を探し回る。その様子は、まるで町を荒らしまわっている怪獣のごとく。そして、自分の記憶を頼りに可能性を潰していくと、思いがけないところで携帯に出会う。あるときは洗濯機の上に、ソファの隙間に、トイレの中に、こういう謎な場所で見つかるとやっぱ俺なくし物の天才だなぁとしみじみ思う。目的の物が見つかると、さっきまで怪獣をやっていたのがウソかのように、晴れ晴れとした気持ちになる。

 

同僚の財布もみつかればいいのになぁ。