やかんと鍋と日記と

ぐうたらと生きる。

遠隔授業

離島や過疎化が進行する地域で、教員の負担を減らすため、巨大なプロジェクターを使った『遠隔授業』が行われるという。

現在、そのような地域では、専門外の授業を教員が補うことで、何とか学校を存続している。そのため、教員の負担の大きさが問題になっているのだ。

そこで、遠隔授業という提案が出た。

プロジェクターには、他校の教室全体が映し出される。そこには勿論、教員と生徒がいて、リアルタイムで授業が行われる。他校の教員が授業を兼任するため、遠隔授業を受ける側の教員の負担が軽くなる。教員の人件費も安く抑えられ、生徒たちも専門性の高い教員の授業を受けることができる。というのが、このプロジェクトのメリットである。

しかし実際問題、本当に教員の負担は減るのかという不安要素が残る。リアルタイムで他校と授業を行うには、他校との綿密なミーティングが必要となるし、問題が発生した場合には、結局教員がその負担を担うこととなる。だから、教員の負担がどこまで減るのかについては、不確定要素が多いのである。

それに加え、私が一番不安視する点は、子どもへの影響である。教員と対面しながら授業を受けられないことは、多感な時期を迎える子どもたちにとって、悪影響を及ぼすのでないかと思ってならない。映像では人の温かみは伝わらず、生徒は寂しい想いをするのではないかと思うのである。

このような技術力の進歩には感心せざるを得ないが、人間の感情に寄り添うという、人間の温かい部分がおいてけぼりになっている気がする。子どものことを本当に考えるなら、心のこともしっかりと考えてほしいと思う。