やかんと鍋と日記と

ぐうたらと生きる。

弟が新聞に載った

弟が新聞に載っている。

弟は昨日、社会人になったのである。
紙面の中で、弟は立派に抱負を述べていた。

私は兄であるにも関わらず、弟のことをあまり知らない。弟は家では、いつもボソボソと話しているため、その内情が読み取れない。だから、弟が何を考えているのかが、全く読み取れない。私たちと話すとき、弟は極めて静かで、たまにフッと息を吐くように笑う音が聞こえるのみだ。でも、大学の友人たちと飲むときは、全裸になったりするらしいから、ますます分からない。ミステリアスなヤツだ。

弟のことで唯一知っていることは頑張り屋さんであるということだ。私と違い、国公立の大学に進学して親孝行をし、今回の就職でも倍率が高い企業にあっさりと就職を決めた。そして、今日の新聞に大々的に載っているのである。なかなかに凄いやつだ。

私は昔から弟の活躍を聞くと、いつも対抗心を燃やしていた。それと同時に何だか誇らしいような気分にもなった。

新聞記事を見たとき、私は醜くも嫉妬心を燃やしてしまっていた。きっと現在わたしが、転職活動をしていることに起因しているのだと思う。やりたいことを仕事にしたいという気持ちが、良い所に就職した弟への嫉妬に変わってしまった。

私は本当にみみっちい兄だ。

でも、弟にはこれから精一杯頑張ってほしいと思う。これは本当のきもち。