始業日は果たして、、、
仕事の始業日が定かではない。
きっと明日だと思う、しかし、もし違ったら『新年早々気合が入っとらん』と課長に怒られ、周囲の職員たちにクスクスと笑われるのだ。
私はその醜態に耐えうる精神力をもっているだろうか。
いや、ない!
今朝そう結論を出し、取り敢えず職場に向かうことに決めた。昨日の夜から続く不安な思いにピリオドを打ったのだ。
しかし、ピリオドを打ったは打ったで辛いものがある。何せ、昨日まで明日という空白の時間に胡座を掻いて、のほほんとしていたのが、急になくなったのだから、その衝撃は大きく、私の心は深い穴の底へ落ちていった。
今日から仕事なのかもという思いと、『きっと明日だよ』と言う天使の囁きが入り混じり、何だか気持ち悪くなってくる。
いっそのこと、仕事解禁ならその事実を早く知っておいた方が、気が楽になるというものだ。微妙な希望が見え隠れするから、私の心はどちらに舵を切ればよいのか分からなくてモヤモヤする。
同僚に聞けばいいじゃないかという意見もあるかとは思うが、私の職場には先輩しかおらず、何かそれを聞くのは気が引けてしまう。
ならば、どうするか
行くしかないっしょ!
私は仕事スイッチを嫌々ながらバチっとオンにし、車に乗り込んだ。心臓はバクバクと音を立て、最後の審判を今か今かと待っている状態だ。
そして、何か手がかりを掴めないかと、車に乗っている人を逐一見たりして、必死に真実を確かめようとした。
しかし、良いのか悪いのか、職場の人間が車を運転しているのは確認できない。希望の光がまた少し影を伸ばしてきて、私はまた気持ち悪くなる。
どっちだ!どっちだ!と頭の中で反芻する。
私の職場はド田舎にあり、普段行き道に車通りは少ない。
しかし、今日は違った!
私の車の前を5台くらい車が連なって走っている。私は観念した。前を走る車たちはおそらく私の会社の人間たちで間違いないだろう。
ああ、神様!私は働きたくないのです。アーメン。
と唱えている間に職場に着いた。
私はドキドキしながら、駐車場へ向かう。
駐車場には人っ子一人いない。
勝った、、、
嬉しさが溢れるかと思いきや、何だか無駄に心を消耗していて、うまく自分の感情を理解することができなかった。
しかし、今日仕事でなかったことに少し感謝しながら、そのまま来た道をゆっくりと戻った。
何だか気が抜けて、無気力になった。