やかんと鍋と日記と

ぐうたらと生きる。

眠りとストレス

睡眠時間の長さを決めるのは精神的なストレスの度合いによるらしい。例えばストレスを大きく感じている人は8.9時間、ストレスが少ない人は6時間以下になるそう。いわゆるロングスリーパーショートスリーパーと言われるものである。

私は妙にこの理論に納得してしまった。
心の中であらゆる感情が入り交じり、グルグルしてるような日は、自分でもびっくりするくらい寝るし、頭がスッキリしていて、感情の整理もきちんとついているときには、6時間でこと足りる。

だから私は、睡眠時間の長さで調子の善し悪しを測っているときがある。


ここからは自論だが、精神的なストレスは夢にも現れる。調子が良い時は実に想像力豊かな、普段の自分では考えつかないような夢を見る。そして、起きたときにはスッキリした気持ちで気持ち良い朝を迎えられる。しかし、調子が悪いときは、基本的に何か怪物に追いかけられていたり、精神的に追い詰められるような出来事が起きる。そして、朝目を覚ますと下半身が嫌な汗でびっちょりしていて、テンションが下がる。

だから、精神的な不調は睡眠によく現れると思っている。幸い私は不眠症とかにはなったことがないから有難いが、MAXレベルに不調が高まるとそうなってしまうのだろう。おそろしや。

寝るときくらい気持ちよく、何も考えずに居たいものだ。


異臭の原因は。

トースターから異臭がする。

くせぇ。

この匂いには覚えがある。私は職場でリフトを使用するのだけど、クラッチを踏みながら走ってると、時折感じる匂いだ。機械の仕組みがよく分かってないから、上手く説明できないけど、クラッチに使われているゴムが焼け付くのだ。そのときの匂いはヒドい。運転手はおろか、半径50メートルくらいは匂いを感じるほど強烈だ。

職場のある男性職員は、特にこれをよくやる。その男性職員は運転がとにかく荒い。エンジンを目一杯ふかしながら、走行するから騒音具合もハンパじゃない。普段はとても穏やかな人だから、まさにこち亀の本田さんのような感じだ。

そんな話は置いといて、家のトースターの話に戻る。
トースターで朝食に食パンを焼いているときに、事件は起こった。リフトの焼けたゴム臭が、家の中でも見事に再現されている。家の外に運転の荒い職員が暴走してるんじゃないかと思うくらい臭い。

トースターの中を確認してみると、一件すると異変はない。我が家のトースターは長年蓄積した食い物のカスがトースター中の床に散らばっているが、これは平常運転なので問題はない。いや問題はありありだが、これを掃除する余力がいつもない。

しかし、今は悠長に構えている暇はないから、いそいそとトースターの床を掃除し始める。すると輪っか状の物体が横たえているのを発見する。その物体は、溶けて半分がもう液状化してしまっている。私がパンを食べるために、何か分からないがこの物質は半分身体が溶けだしてしまったのだと思うと、少し気の毒になる。ならば成仏させてあげようと、物体を落ちていたダンボールの切れ端ですくい上げる。そこで、この物体の正体に気づいた。

輪ゴムだ。

こいつが強烈な嫌な匂いを生み出していたのである。元凶がわかると、一気に輪ゴムを慈しむ心は消え去り、なんでお前こんなとこに入ってしまったんだと、輪ゴムを責める方へシフトする。まったくに不毛なやり取りを繰り返し、心の落とし所がついたところで、ゴミ箱へぽい。

臭すぎるため、部屋にある窓という窓を開いていく。ものすごく冬を感じた。



会話に入るタイミング

私が事務所の中に入ると、事務員の女性2人が楽しくおしゃべりをしていた。女性は二人とも50歳を越えているから、仕事場なのに何だか近所の道端で井戸端会議が行われているような光景に見えた。会話の内容は、とある男性職員のモノマネが面白いというもので、一人の女性事務員が、その面白さを力説していた。

私も実際、そのモノマネを見たことがある。よく特徴を捉えていて、なかなかにクオリティが高くて面白かったのを覚えている。課長のモノマネをするのだが、声のトーンと大きさ、セリフを完全再現している。私が見た時は、課長がいないのをいい事に、課長の席にふんぞり返りながら、モノマネしていたものだから、思わず吹き出してしまった。

そのとき、この人ガサツそうに見えて、結構人のこと見てるんだなぁとしみじみ思った。

そのことを思い出しながら、女性事務員の話を盗み聞いている。

じきに、私もその会話に混じりたいという欲求がふつふつと湧いてきたが、やる事をやってからにしようとパソコンに向き直る。そうこうしているうちに、事務員さんは出ていってしまった。

ああ、あのエピソードで会話に混じっていたら、少しはウケただろうになぁとしみじみ思った。そう考えると、次々に色んな後悔が思い浮かび、もう終わったことなのに延々と会話への飛び込み方をシミュレーションしてしまう。

全くもってみみっちい。

自分のことをみみっちいと思ったら、そのことがどうでもいいことに思えるようになった。そして、もっと楽しいことを見つけようとポジティブな感情をもつことができた。

次は積極的に会話に飛び込んでやろうと思う。


なくしたものは中々、見つからない。

同僚が財布をなくしたという。

心底かわいそうだと思った。財布を無くせば、様々な2次災害が襲い来るからだ。免許証、カード類、保険証、、、考えるだけでおぞましい。

幸いカード類は入っていなかったようだけど、それでも免許証を発行しに行かねばならない。

 

今日は金曜日。同僚はさすがにその日に、有給を取るのは忍びないと思ったのか。月曜に休むと言った。しかし、土日に車に乗れないのは辛いだろうと、上司がその日に有給を取ることを提案した。理解のある上司だと、私は関心した。

 

こういう上司がいるというのは、心強い。

上司はおかしいと思ったら、積極的に意見するタイプだ。だから、かなり頼りになる。対して、私は基本的には静観するタイプで、そういう人に憧れを抱いている。

 

かくいう私も何かをなくすことにおいてはピカイチの才能を持っている。よく母にそういうとこ、お父さんと一緒やねと言われ、親父と同じということに少し、嫌な面持ちになる。でも、全くの事実で反論のしようもないから、もどかしい。

 

わたしが一番よくなくすのは携帯だ。

さっきまで、いじっていたはずの携帯がどこにもないことがザラにある。直前までの浅はかな私に怒りを浴びせかけながら、半ばやけくそで汚い部屋の中を探し回る。その様子は、まるで町を荒らしまわっている怪獣のごとく。そして、自分の記憶を頼りに可能性を潰していくと、思いがけないところで携帯に出会う。あるときは洗濯機の上に、ソファの隙間に、トイレの中に、こういう謎な場所で見つかるとやっぱ俺なくし物の天才だなぁとしみじみ思う。目的の物が見つかると、さっきまで怪獣をやっていたのがウソかのように、晴れ晴れとした気持ちになる。

 

同僚の財布もみつかればいいのになぁ。

大蛇が山から下りてくる

追いかけられる夢をよく見る。

追いかけてくるのはいつも猛獣で、私はいつも死にものぐるいで、ソイツから逃れようとしている。そんな夢を連日見るもんだから、正直しんどい。朝から心臓がバクバク音を立てるため、休日の朝だというのに気が休まらないのだ。

今日も朝5時に夢で無理やり起こされることになり、心にモヤァッとしたものを抱えながら、活動を開始することとなった。

取り敢えず湯を沸かす。
昨日、夜遅くまでカラオケに行って、帰ってくると倒れこむように眠りについてしまったのだ。

そして、風呂に浸かりながら、改めて今日の夢のことを考える。










私はそのとき、実家の庭にいた。
実家は周りをぐるりと山に囲まれた小さな集落の中にある。

その周囲の山の奥の方から、けたたましい音が響いてくる。






バキバキバキバキ、ズザザザザザザ、ベキベキベキベキ、ゴリゴリゴリゴリゴリゴリ








全ての音がない交ぜになり、聞こえてくるもんだから、耳がどうにかなりそうだ。

そして、その音の根源が姿を現わす。山頂に奈良の大仏くらいの巨大な蛇の頭が乗っかっている。そのヘビは舌をチロチロと覗かせながら、しばらく周囲をキョロキョロと見渡す。その後、私を見つけたからか、山の頂点からバキバキバキバキと轟音を響かせながらこっちへ向かってきた。

周囲の巨木たちを物ともせず、薙ぎ倒し向かってくる様は、もはや神々しくも感じられた。

しかし、そんな悠長に構えているいとまはない。私は妻を引き連れ、逃走する。車を使えばいいものの、焦りすぎて走ることを選んでしまった。





夢の中の世界の風景は全くと言っていいほど、現実に則したものになっていたが、私の身体に違いがあった。

夢の中の私は、腕が異様に長いのである。その長さは自分の背丈を超えるほどだった。

走る時、私はその長い腕を前方に伸ばし地面につけ、脚で地を思いっきり蹴りあげ腕を支柱にして飛び上がる。空を舞い、次に地面に着地する場所は、飛び上がった場所から30メートルほど先のところである。


体感的には時速60キロは出ていたように思う。

もしかしたら、進◯の巨人を無意識にオマージュしてしまったのかもしれない(笑)

そんな特殊な走法を用いて、蛇からの逃避を試みる。勿論、妻もこの走法を心得ているから、心配はいらない。

私は死にものぐるいで走った。

この走り方での、体力の消費は半端じゃない。でも恐怖心からか、全然疲れを感じない。

何とか蛇を巻くことに成功。しかし、恐怖と不安で、心臓はまだ早鐘を打っている。





そこで、目を覚ます。



実際の私の心臓も高速度に音を立てていた。


夢占いの世界では、何か壁にぶち当たったときに見るのが『何かから逃げる夢』なのだそうだ。


確かに今、私は大きな転換期を迎えていることから、それは正鵠を得ているといえるだろう。


分かってくれる妻

金曜の夜、明日が休みだという熱い情動が抑えきれず、意味もなく21時に家を飛び出す。

そして、意味もなく本屋へ行く。

私の住んでるところは、春にウグイスが鳴くのが聞こえ、夏の梅雨の時期にはカエルたちの大合唱が。秋には、コウロギたちが羽を振るわせ情緒を醸し出し、冬は本当に物音のしないような田舎である。

飲み屋も深夜0時には閉まっていることが多く、田舎の深夜は割に閑散としている。

そんな田舎の情景があるが、本屋は結構頑張っている。深夜0時まで営業しているのだ。
自分でそのような時間に利用しておきながら、こんな時間に人なんて来るのかな、従業員の人が可哀想だと、心配してしまう。

でも、心配はご無用。本屋へ行くと、ちらほら自分と同じような迷える仔羊だちが見られた。

大体は男である。家庭に窮屈を感じている人も多いのだろうか。雑誌コーナーにたむろする中年の姿を多く見かけた。

私はそこでエッセイと知識本を買った。最近はエッセイに凝っている。なんだろう。エッセイのリアリティーのある文章に心が惹かれるのである。

そしてその気持ちは、いずれこんな文章を書きたいという気持ちにリンクしているのだと思う。

今日買ったエッセイは言葉選びが巧みなものだった。最近の本を買う基準が、『言い回しの面白さ』になっているところも、自分で表現したいという心の現れなんだと思う。

本を三冊購入して、時刻は10時普通なら満足して帰途に着くところ。しかし、その日の私は往生際が悪い。まだ、家に収まりたくはないと心が騒いで仕方ないのである。

私はコメダで買った本を読むことに決める。そこで、妻にその旨を告げた。しかし、妻にそのことを告げるのは気が引けた。

私のことをよく知る妻でも、私の奇行を軽く否定してくるだろうな、と思ったからだ。例えば、『エー、何なのそれー』とか言われたら、少し気分がしぼむから、嫌だったのだ。

しかし、妻を心配させるわけにはいかないから、キチンと連絡はつける。基本的に私は子ども染みているが、やることはちゃんとやる。いや、妻にからのちょっとした否定を恐れている時点で、子どもなのかもしれないが(笑)

LINEで恐る恐る連絡すると、少し経ってから携帯が振動した。LINE画面をみると『気をつけて帰ってきてね。』と表示されている。

このとき、やっぱこの人を妻に迎えて本当に良かったと心の底から思った。私を決して否定しないのだ。そして、私のことをよく分かってくれている。

分かっていないのは私だった。

私は妻に惚れ直しながら、コメダで買った本のページをひたすらにめくった。

ヒドく優雅である。

レジの女の子をアイドル化

今日の料理当番は私だ。

昨日も私が担当で、カレーを作ったのだけど、昨日一日で全てなくなってしまったので、今日も作らなくてはならない。次の日に楽してやろうと思ってのカレーだったのだけれど、カレーは食欲が増進され過ぎてよくない。

という訳で、スーパーへ寄ってから帰宅する。最近、野菜が安くなり、料理の幅が広がってきた。

一時期、私の近所のスーパーのキャベツは一玉500円になったことがある。あの時は、目玉が飛び出るかと思った。嫁にそのことを話すと、信じてもらえなかったほどである。今でもキャベツは高いが、後にも先にもあの時が最高値になると思う。






私はチンゲン菜、しめじ、もやし、玉ねぎ、豚肉を次々とカゴに放り込み、レジへ向かう。

レジには長蛇の列ができていた。
現在、時刻は午後6時。買い物のピーク時だというのに、六つあるレジが二つしか解放されていなかったため、人が溢れ出してしまっていた。その列は通路を遮るほど長くなっており、私は仕方なくその最後尾に並んだ。レジ打ちの女の子が長蛇の列に焦りを感じているのか。素早い動きで商品のバーコードをスキャンしていく。あっという間に前から3番目の位置までくることができた。

そのときだった。
隣のレジが解放されそうな雰囲気を醸し出してきた。私は隣のレジへすぐに移れるよう準備した。しかし、そのちょっと後で、2番目に待つ人のことを考えた。2番目の人を差し置いて、我先に隣のレジへ並ぶのはルール違反ではないか。そんな気がして、私はいったん様子見することに決めた。前にいる男が動くのか、動かないのか見極めてから、どうするか決めようという算段をつけたのだ。





そして、そのときがくる。





私の思惑通り、横のレジが解放された。その解放に少し遅れて、前にいる男が動いた。私は隣のレジへ入ることを諦めた。しかし、そのすぐ後に男は踏み出した右足をもといた場所に戻して、私の前に居座った。




まさかのフェイント。





そう思ってまごついた隙に、並んでもいなかったおばさんが横からスイーッと隣のレジに吸い込まれていった。






してやられた…






この二人は共謀していたのではないか、と思うほどの見事な仕事運びである。


私は怒りを収め、レジに粛々と並ぶ。






ここで、先ほど見事なフェイントで私の目を眩ませた男に目線を移そう。彼は30代前半くらいの男で、カゴに入れているのは、お菓子と酒。身なりは少し汚らしい感じであり、独身っぽさを感じさせる風貌をしている。

これといった特徴がない男なのだが、会計が済んだ後、奇妙な行動に出た。




男はレジの女の子に向かって、至近距離で手を振ったのである。



文章では、この光景の違和感をイマイチ伝えづらいが、こう言い換えればきっと分かってもらえるのではと思う。







その男の仕草と行動が、アイドルの握手会にきたガチオタにそっくりだったのだ。





個人的な意見になるが、そのレジの女の子はカワイイ。『1000円お預かりします。』など言って、客の目を真っすぐにみて微笑む様は、天使のようである。それでいて、どこか控えめで優しそうな印象を相手に与える。男なら誰でもドキッとくるような女の子なのである。

だからこの男はきっと、女の子を勝手にアイドル化しているのだろう。しかし、その子はアイドルではないし、怖いと思う気持ちが少なからず芽生えたと思う。なぜなら、側から見ている私が戦慄しているのだから。その男がエスカレートして、ストーカーにでもならなければいいが。

そして、初めからこのレジに並ぶつもりなら、余計なフェイントはやめてほしいと思う。


そんな買い物での一幕であった。